先日亡くなったMのお父さんのパソコンが持ち込まれた。
相続に必要な資料が無いか、PC内を調べてほしいとの事。
預貯金や投資先の全貌が解らず、Mのお母さんが苦労しているからだ。
いくらパスワードが掛けられていないとはいえ、それは嫌な作業だ。
PCの中身なんて誰にも見られたくはない。
誰より強くそう思っている僕が、亡くなった人が残したPCを起動するなんて。
そして、作成中だった確定申告資料を見つけた。
ああ、あの日の直前までこんな事をしていたんだ。
僕の母が逝ったとき、枕元に積んであった読みかけの本を思い出す。
僕の父が逝ったとき、買うつもりで集めていた新車のカタログを思い出す。
人が居なくなるって、そういう事なのか。
全てをそのままに残し、そしてもう帰ってこない。
週末は49日の法要だ。
Mの実家に位牌も仏壇も届いた。
時間が飛ぶように過ぎ、残された者は戸惑うばかり。
来月には、僕の母の命日がまたやって来る。
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